リアルな日常 ページ3
朝4時半アラームの音で目を覚ます
「おはよう、カノン」
しっぽをゆっくりと振ってヘッヘッと笑う白と黒の愛犬、カノン
愛称はボダ子
ボーダーコリーだからボダ子
カノンは俺の相棒的存在で、ドッグトレーナーの資格を持ってる俺は犬のイベントでのゲスト講師としての仕事や雑誌で表紙を飾ったり、動物番組ではコーナーも持っていてその時もカノンと一緒だからカノンはファンの中では有名犬
だけど、カノンという名前は明かしていないからボダ子と呼んで貰ってる
ほら芸能人ってさ奥さんや彼女、家族をあだ名で紹介したりするでしょう？
それと同じかな？笑
俺はカノンなしでは生きていけない笑
そんなカノンは置いといて……ゆっくりと体を起こして枕元のリモコンで電気を付ける
朝は人工的な光よりも自然の光を浴びたいとこだけど生憎まだ日は昇っていない
体を慣らして、これまたベッドの頭上の棚に置いてある体温計と血圧計、パルオキシメーターの入った透明のボックスを取って測定
毎朝、測定したのをノートに記入しておく
もうかれこれ20年以上もしてるから今更面倒とは感じない
今はだいぶ丈夫になったとはいえ俺は生まれつき心臓が悪いせいで運動や食事に関しては色々と制限付き
最後に手術をしたのは10歳の時
もう10年以上も前なのに俺の胸にはくっきりとその時の手術痕がある
アイドルという職業は時に脱がなければならない
ファンデーションである程度は隠れるものの全ては隠しきれない
だからSnow Manに加入が決まった時に応援してくれるファンの方が驚かないように自分が心臓の手術経験があることは伝えている
詳しい病名は明かしていないけど、体が弱いことも持病があることも知っている。
そもそも俺がこの世界に入ったのは中学2年の定期検診の帰りのこと
検査結果が良かったからってプチお祝いにって母さんが俺にスニーカーを買ってくれることになって渋谷に来ていた
その時にすれ違ったおじさんに声をかけられた
「You、アイドルに興味無い？」
って……
俺は幼い頃から入退院を繰り返してきた
病室のテレビで何度か歌って踊るアイドルは目にしたことはあるけど俺には一生無縁だと思っていた
だから正直驚いた
だけど俺にはできるはずがないと断ったんだけどせめて名刺だけでもって無理やり渡されバッグの奥にしまいこんだ
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作成日時：2024年4月17日 22時
