Pseudoromance#12 (ページ9)

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テヒョンside

「え、(人1)ちゃんドラマ途中降板だって！……体調不良で暫く活動休止っ、……あーあ、楽しみにしてたのに！」

「あはは！ジミナにしては、珍しくハマってたもんね。あのドラマ」

「そうだよ！代役って誰になるんだろ、(人1)ちゃんだからこそ成り立つのに。ショックだな」

彼女の事は何でもリアルタイムで知っていたのに。ついにテレビで知るようになるとは。俺と(人1)の距離が一段と遠のいたようだ。

このドラマは、(人1)にとって何にも変えられない。お世話になっている監督さんの作品だからって、気合いたっぷりに頑張るんだと意気込んでいたのに。

いつまで体調不良が続くんだろう。ちょうど連絡がつかなくなって早１ヶ月。流石に心配になってきたが、＿＿＿＿

肝心の彼、元いジョングクは状態を把握できてるのだろうか、

真っ黒に染めた髪を短く切って。無造作に開けたピアスすら外してる。まるで幼い頃のジョングガみたいだなって皆でからかっていた。それもあって、最近また一段と注目を浴びてるようだが、

メンバー一同、驚愕した。ジョングガからタトゥーが消えた事実。

これは、どのような変化なのか。ヒョン達は、ようやく長年の不安要素から解放されて安心した表情をしていたのだが思いの外、心配しているようだ。

ただ誰も触れられない。何故、このような行動に移したのか、と。

「……ジョングガ、(人1)ちゃんは大丈夫なの？」

「うん、何も心配いらないよ。(人1)の周りが過保護すぎるだけ、本人は何ともなさそうに見えるくらい元気だよ」

＿＿＿＿病院で運ばれたのに、心配いらないと？

確かに最後の電話は元気そうではあった。それに何か話したそうにしていたのに、俺が一方的に話を終わらせて。どうでもいい社長令嬢に構っていたわけだ。

何を俺に伝えたかったのか、きちんと聞けていれば。これほどモヤモヤしなかったのに。

時間だけがすぎて為す術なく。このまま友達という地位からも抹消されるの？俺の存在って(人1)の中で、その程度のものだったってことか？

一昔前の俺なら。今頃、誰でもいい玩具で暇潰しするんだけど。ようやく学んだ、(人1)が与える傷は別の人で癒えるほど容易い傷ではないと。