Pseudoromance#12 (ページ7)

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「だけど、どのような決断を下そうと大事なのは未来じゃない、現在です。しっかりと奥様、子供と向き合って後悔のない選択を選んでください。」

「……っ」

「あと妊婦さんは体の負担だけじゃない、心のケアも重要になってきます。妊娠5ヶ月になりましたが、仕事面でのストレスは彼女の場合、悪いように働くかもしれませんので。極力、仕事はできる範囲がいいかもしれません」

「……先生。一つお聞きしたいのですが」

「はい」

「……その。お腹の中にいる赤ちゃん、は。僕の子なんでしょうか？」

「＿＿＿＿はい？」

不協和音が鳴り響く。俺は赤ちゃんの成長を願うよりも先に自分の保身を1番に守ろうとした。

(人1)が体の関係を持っていたのは、俺と。＿＿＿＿キムテヒョンだから。

先生は呆れ気味に、それは絶対とは言えないけど9割俺の子だと思うと(人1)の言葉を鵜呑みにしたまま怪訝そうな顔で言ってきたが、

安心なんてできない。俺はDNA判定をしてもらえないか？と真っ先に先生に訴えていた。

「こちら側としては可能ですが、(人1)さん本人の承諾が必要です。＿＿(人1)さんを信じてみてはいかがで「わかりました。後日また連絡します」

俺は最低な男に見えてもいい。赤ちゃんの残像を思い出すほど、苦しくて虚しくて。それでも俺は戸惑いながらも(人1)の妊娠に嬉しさもあった。ただ必ずといっていいほどついてくる、キムテヒョン。

幸せになろう、なんて。当然言えない。

『……、ごめんね。』

「なにが？」

『黙ってた……っこと。』

(人1)の体を気遣えと言われたばかりなのに。しょっぱなから、こんな雰囲気。

ただ、それは(人1)のせいでしかない。こんな重大なこと、何故俺は本人の口からじゃない、医師から聞かされるんだ。知らなければ、それで済むほど簡単な話じゃないと分かっているのに。

俺は縮こまった(人1)の無謀で薄情な行動に、怒りを覚えて。今日だけは、その心に鞭を打ってしまいそう。

「いつから気づいてた？」

『……先月。会社で倒れて、病院に運ばれたの。その時に発覚した』

「そう。＿＿＿＿発覚して。真っ先に何を思った？」

『……グゥに、なんて言おうかなって。申し訳ない気持ちで潰されそうだった。』

…俺に申し訳ない？＿＿、ほらまた俺の地雷を踏んできた。