Pseudoromance#12 (ページ38)

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母親になることで、芽生えた強さは底知れぬもの。どれほど強い敵が現れようと子供の為に何でもできそうだ。

スタスタと歩く足は、未だ逃げ続けるジョングクの前で止まり。憎らしいほどの笑顔で見上げた、

『会社の援護も社会の援助も必要ありません。私は私のやり方で、今後あなたに縛られず生きていきます。貴方が捨てた子供と共に』

彼の居ない未来を受け入れる覚悟を決めて。さようならの変わりに告げた言葉は、あまりにも衝撃だったのだろうか。一瞬見せた彼の悲痛な表情が、

「(人1)っ！！！、……マネージャー！お願い」

去っていく足を重くさせた。

最後に相応しい、憎い感情のまま終わらせてほしかったのに。後悔を匂わす、あの表情を見てしまったからには。つい彼を愛していた自分を思い出してしまう。

後味を悪くさせるのは、本当得意だよね。＿＿

どんなに裏切られても、あんなに愛していたんだよね。妊娠が分かった時も心のどこかで共に歩む未来を喜んでいた。

＿＿＿＿違う、

この涙は、ただ嘆いているだけ。このような結末を選んでしまったことを、お腹の赤ん坊に詫びているだけだから。

子供の将来のためよりも、自分の為に彼と別れたこと。いつか話す事ができるだろうか。

きっと、どんな理屈も通用しない真っ直ぐな瞳に。ただ涙してしまうだけなんだろうけど、

私の生涯をかけて真っ直ぐな愛を注ぎたい。決してこの子に産まれてきた意味を問うことがないように。＿＿＿

神様。

もうこれ以上ない罰は降されました、私を。お許し下さい。

「__、ちゃん？」

『！』

「……(人1)ちゃん、だよね。どうしたの？！こんな所で……っ、」

誰の助けもいらない、でも。差し出された手を恐る恐る掴んで。見上げた彼は、薄暗くても分かるくらい。瞳がキラッと輝いていた。

そして後方から私を呼ぶマネージャーの声に怯んだ私を見て。「こっち！」と別室へ誘導される。

私が持っているブランケットのせいか。寒くないようにと暖房をつけてくれて。出してくれた椅子をささっと叩き、

「どうぞ？」と薄ら微笑む。遠慮がちに座る私を見越してか、距離感を考えてくれるその人柄は変わらなかった。

「……、(人1)ちゃんが会社にいるなんて驚いたよ。活動も休止してたって聞いてたし。

でも、ごめんね。俺分かっちゃった。」

『……』

「(人1)ちゃんさ、＿＿＿＿」

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