Pseudoromance#12 (ページ34)

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言葉の節々に棘があるような、癇に障るような言い方が、社長の頬を引き攣らせていた。手は出さないと約束してくれたけど、社長は口も手も速いから。

こんな時の為にSPを数人連れてきた、と言っても過言では無いだろう。

そんな時、そろそろ時間かなとチラッと腕時計を見つめて。｢ジョングクは繊細な子なので、あまり一方的に盛り上がらないで下さいね｣と、早速社長に火をつけるかのような一言を投げられ、火花が散った。

社長同士に挟まれて当事者である私達はただ萎縮するだけな気がするが、

そうこうしている間にドアがノックされて。そこに現れたのはヘアメイクもそのまま息を切らしたジョングク。

｢お、やっと来たか。｣

｢すみません、ちょっと収録が延びてしまって｣

社長と私には当然の如く完全無視を貫いているようだ。あれほど他人行儀な彼、私は良くても社長はジョングクをまだ信じている立場、少しでも気遣ってほしかった。

それからすぐに立ち話はなんだから、とソファーに座らされるものの、間違ったことはしてないと主張する割に目を泳がしているジョングク。

私以上にとても居心地が悪そうだった。

「……お話の前に、(人1)を別室に移動させたいのですが」

｢はい？それは話が違います。(人1)さんは私達からしたら、れっきとした加害者です。ここまで来ておいて逃げるなんて。＿＿＿＿妊娠していることを盾にされてもこの世界じゃ通用しませんよ｣

「……加害者ですって？…………(人1)が妊娠したのは、(人1)だけの責任ではありませんよね？彼にも、平等に責任が課せられるはずです。逃げているのは、そちらの方ではありませんか？」

｢…そうですね。それは正論に間違いないでしょう。ただ、(人1)さんがそう仕組んだのであれば話は違ってきますよね？……ジョングクを言葉巧みに誘い出し、嘘を信じ込ませ責任を負わせようとした、これほどの重罪ありますか？」

あれほど社長が制御してくれてたのに薄ら笑みを浮かべ私達の目の前でタバコに火をつける。更には煙をわざとらしく、こちらに向けてくる卑劣さ、不快感も相まって。

ペラペラと吐く虚言に私も少しずつ腹が立ってきた。