Pseudoromance#12 (ページ33)

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｢……どうも、初めまして。女社長さんだとは思わなかったな。活躍はよく耳にしております、｣

だけど私の勘違いだろうかと錯覚するほどの好感触で尚低姿勢、思っていた社長図と全くの別物に驚いてしまった。初めて目にした、その全貌。思わず私は社長の背に隠れてしまったが、

動揺もしない社長の鋭い瞳は、より尖って見えて。私の恐怖心を煽ってくる。そして思い知らされた、私達を潰そうとけしかけてきたのも、テヒョンと私の関係を壊したのも。

私達の事務所に数回アポなく向かわせたのも、全てこの人の指示だということ。

｢……、噂ではかねがねお聞きしていましたけど。初めまして、これほどお美しいとは。とても我社に欲しい逸材だ。男共が放っておかない理由がよく分かるよ、

ねぇ、……(人1)さん。火遊びもほどほどにしろとあれほど指摘していたんですが、ご迷惑おかけしてすみませんね｣

『……、』

｢あの！それ以上(人1)に近付かないで頂けます？あと、タバコはやめてください。……ご存知かと思いますが、(人1)は妊婦です。そこは大人のマナーとして気遣っていただけませんか｣

｢……、おっ。失礼いたしました。……妊婦さんでしたもんね。｣

白々しい、私の全身を隈無く見ては煙草の火を消して。いくら隠れてもその笑顔に見張られているような、そんな気がしてならない。

｢しかし手厳しいな。折角いらしたのに、そうかっかしないで下さい。(人1)さんとは一度お会いしたかったんです。社員皆が口揃えて、芸能人の鏡だと言うもんでね。貴方のお芝居、拝見させて頂いたことがありまして、

とても関心致しました。しかもプライベートでさえも隙を見せず徹している。これほどの逸材、よくも発掘できたものです。私としても是非、生ぬるい子会社よりも、結果の出せる我が社へ引き抜きたいと考えていましたが。このような対立する立場になってしまったわけで、非常に残念です｣

｢対立？お言葉ですが貴方方が事を荒立てていると気付いて居られない？｣

「……まぁまぁ、その話は後程。ジョングクを交えて事の真相を紐解いていこうじゃないですか。……まぁあまり私達には時間がないのもご存知かと思いますので、無意味な感情論は無しにしましょう」