Pseudoromance#12 (ページ31)

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「ティアラさん、って。……最近もしかしてお洋服のプロデュースされてましたよね？」

「あそうそう、DMがよくきていたので覚えてます。しかもその内容が(人1)さんのご友人だから、と執拗に仰られて。何だか文面が怖かったんです。それに、ただ噂ですけど裏の業界と繋がっていて、多額の借金を抱えてるとアパレル業界では酷評とのことで」

社員さんの知られざる会話の中に、ティアラが記者に売った根拠がぞくぞくとでてくることに驚き。

知らなければ良かった、耳を塞ぎたいほどの真実にまた何かが壊れていく、そんな痛みがした。

【私は(人1)の味方だから…】＿＿＿＿、そんな慰めに何を期待したんだろうか。

『あでも！……ティアラは、そんなことしないよね？ねぇ、社長なら分かるよね、あの子の人柄。そんな事しないって知ってるでしょ？』

「……貴方が疑いたくない気持ちは分かる。でも、あれほどの情報量で多額の現金を受け取ったのは事実であり。私も、(人1)には黙っていたけれど。ティアラさんがこの事業に手を出し貴方へ差し向けてくると聞いて脅威を覚えた。だから、今(人1)からその名を聞いても、正直あまり驚いていないの。」

社長までもが、ティアラへの信頼をなくしていた。

必ずしも、私を陥れようと仕向けたことではないにしても、そこには必ず疑いたくないような恨み妬みはあったと思う。＿＿＿＿といくら慰められても。大切な友に裏切られた、その傷みは響いて。ジョングクに付けられた傷よりも、ずっと痛い。

惨め、？愚か？＿＿こんな私を誰でもいいから笑ってほしいのに。誰一人同情しかしてくれないから勝手に流れていく涙を、ただ知らんぷりしてた。

・

「あ、あの！社長、…(人1)さんは直接顔を合わせない方がいいと思います」

「……それは私も重々承知です。でも、(人1)。ずっと言われっぱなし、やられっぱなしで。貴方にも言いたいことくらいあるでしょ？最後くらい、負けん気見せなさい。……ほらっ！泣くな！……私達がいるじゃない、誰よりも信頼できる私達がいるの！……無敵でしょ？」

『……っうん』

「逃げたくなってもいいから。もしもの時はSP、頼んだわよ。……さ、行きましょう」