Pseudoromance#12 (ページ4)

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「……帰らないでいいなら。帰らないよ」

俺がここに居てもいいなら、喜んで相手するよ。でも、こんな分かりやすい態度で居て、いつか本気で飽きられそうだな。何でも(人1)のお願いを聞いてあげる、激甘彼氏にさせたのは(人1)なんだけどさ。

それ故に重い愛が服従関係をより強くさせたんだ。

たまには冷たくあしらってみようかなとも思ったけど、

『うん、約束ね』

(人1)に何があったんだ？＿＿＿＿と驚いてしまうほどの甘さが病みつきになるから。この子は本当に罪深い。

ただ今回は、別れる別れないの瀬戸際でありながら、寝れるまで手を繋いでいて欲しい、だなんて。突然の心境の変化に驚かされるのだが、

弱ってる(人1)、頼み事は全て受け入れた。

「……っ37.5。下がってる」

社長さんからのメッセージで、(人1)の状態を逐一報告するように言われていた早朝、5時半。気付けば(人1)の傍で眠っていた俺は昨日の出来事をざっくりと文面で報告。

すると、

「……へぇ、11時から病院。」

(人1)は現在も通院しているらしく今日の11時に予約していることと。必ず俺も同伴してほしいとの内容が書かれてあった。更に、(人1)が何かしら理由をつけて断ってきたとしても、そこは曲げないで欲しいともあって。

俺としては喜んで応じるつもりだが、そこまで念を押してくる社長さんの思惑が分からない。それよりも(人1)は。ただの風邪ではないのか？＿＿＿＿

寝返りを打つ(人1)の姿を眺めながら。俺は予約していたジムにキャンセルの電話を入れて。社長がひた隠しにしている(人1)の病名に不穏な気配を感じた。

・

・

『……え？どうい「いいから早く準備して」

やはり社長さんの言う通り、(人1)は俺と一緒に行きたくないらしい。彼女の口から聞くその理由も曖昧で、はたまた俺も着いていく明確な理由を知らないからこそ、口を濁してばかり。

お互いが不毛な会話をしていた。

結局家を出る寸前まで(人1)は『お願いだから家に居てよ』と俺を説得し続けていたが無理やり車に乗せて、病院に向かう。

「……ねぇ、通院って。どんなことするの？」

『問診と血液検査と、……エコ』

「？エコ？」

『そう！エアコンが、効きすぎて……診察室いつも寒いんだ。』

「あ、……だから厚着なんだね」