Pseudoromance#12 (ページ28)

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『ねぇ、社長。クライアントさんの勘違いが。後々とんでもないことにならないかな』

｢へ？あー、キムテヒョンと勘違いしてたこと？大丈夫よ。直接仕事には影響ないし。勝手にメディアが広めたデマなんかで切られるような信頼関係じゃないわ。｣

『……そうかな。』

｢ただ時期は少し考えた方がいいかもね。籍を入れて結婚報告、妊娠報告をメディアを通して発表するでしょ、それ以外にも結婚となると色んな手続きがいるし。｣

『……』

｢嫌だけど、あちらの会社にも挨拶にいかないとね。……そういえばジョングクさんは、きちんと同意を得られたの？(人1)、とても心配してたじゃない、

でも事情が事情であるし流石に重い腰をあげるのが会社としての在り方よね｣

妊婦の体を気遣ったノンカフェインのアイスティーを受けとる手が緊張で震えている。自分の事よりも私の事ばかりに神経を使ってくれてる社長には、当然言いづらい内容であるが。

告白する絶好のタイミングだ、早めの判断や報告が私や彼の為にいいだろう。

『……のね。社長、私。結婚はしない。』

｢……は？｣

『色々、私達の為に動いてくれてたのに。ごめんね、……やっぱり私達は、別々の人生を歩いていく。そう決めたの』

意外にもすんなりと出てきた言葉。迷いがあると少しでも思わせない為に演じた部分もあった。ただ、意表を突いたような社長の表情を見ると。私の感情はかなり揺さぶられる。

｢なんでよ？！……理由は？子供はどうするの？！｣

私よりも、怒りや悲しみに歪んだ顔。たった数日で何があってここまでの結果をもたらしたのか。社長は私に説明を求めてきたが、たった一言。感極まり泣き崩れた私が囁いた、

『…………会社には太刀打ちできない』

震えた声を押し殺していても、変わり果てた社長の険しい表情は。大まかに、この元凶を汲み取ってくれたようだ。そして、

｢(人1)は、それでいいのね？……迷いも後悔もこの先何十年も子供を育てて行く上で、ないと断言できるのね。｣

まだ私の答えを覆すチャンスがあるのではないかと、その真意を社長には珍しい、優しく追求してきた。