Pseudoromance#12 (ページ25)

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｢……え待って。

(人1)はキムテヒョンさんと付き合ってるんじゃないの？｣

『ううん。とっくの前に別れてる。結構、会社同士が揉めてるから色々情報操作されるんだけどね』

｢そう。＿＿それでジョングクさんと付き合ってどのくらいたったの？｣

『……もうすぐ三年。』

｢なるほど、……。それにしても付き合ってたこと世間に隠し通してたことにも驚きだし。さらには妊娠……しかもジョングクさんがそれほど気性が荒いなんて。冷静に聞いてられない！(人1)は妊娠してるのに、デリカシーなさすぎるよ！｣

『あのね、全てが彼の本心だとは思ってないの。少なからず会社に言わされてる部分もあると｢だとしても！(人1)だけに責任を押し付けるのは有り得ない！｣

『ティアラ……』

｢(人1)もジョングクさんも大人よ、いつまでも会社が正しいという思考は捨てないと。いい？泣き寝入りはしないで。まだ出来ることはある。……私はいつでも(人1)の味方だから。｣

外も賑やかになってきた、このタイミングで。ティアラとの時間は終わった。念には念を、建物の裏口から私を帰してくれて、｢どんな悩みでも聞くから。次はご飯でも行こうね｣と新しい連絡先を教えてくれた。

さっきまでのモヤモヤ、少しは晴れた気がする。誰かに打ち明けること、そんな単純な事ができないでいた私にとっては大きな変化の様に思った。

ただ家に帰ろう、と思いきやその足取りは重くて。少し遠回りしてみる。すると好きなドラマで流れていた景色はここだったんだな、とか。引っ越して間もない私には新鮮な景色が拡がっていた。

何よりも驚いたのは、近場に花屋さんがあること。興味本位で中を覗いていると店員さんに声をかけられてしまう。

｢何かお探しですか？｣なんて。ドキドキする心臓を抑えながら。咄嗟に『スターチスありますか？』と答えていた私。

チグハグしすぎていたのか、ははっと笑われて。今はシーズンではないんですよね、と私よりも残念そうな声色で教えてくれた、

そして、

｢スターチスをこれほどまで愛して下さっている方と出会ったのは貴方で二人目です。｣

と去り際に言われた事が、ほんの少し気になった。