Pseudoromance#12 (ページ24)

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｢……、あれ。(人1)！！｣

『……え。』

行き場もなく家を出て。シャッター街をただ一人歩いていた。休日の朝8時、人通りもない。私の荒んだ顔なんて誰にも見せることもないと思っていた矢先、

ある女性が声をかけてきた。パッと見、すぐに誰か判別できなかったが、

その声。雰囲気、

『……ティアラ？』

｢うん！……久しぶり！！！(人1)ー！！！｣

一切連絡がつかなくなった、初めてできた友人。彼女の元気そうな姿、嬉しい反面。私の腫らした瞼に気を遣わせてしまう。

足早に建物の中へ誘導してくれた。

｢……今日ね、ここで私がプロデュースした洋服のポップアップをするの。その準備をしてて、ごちゃごちゃしてるけど。座って？｣

『……、ごめん。でも邪魔だから帰っ｢いいの！……久しぶりに(人1)と話がしたい。｣

相変わらず、彼女の優しさは変わらないんだな。少しだけなら、とコーヒーを貰って。数年ぶりの再会だ、戸惑いもありつつ。彼女との会話に花が咲いた。

ティアラがプロデュースしたという洋服も色んな現場で採用してもらっているらしくて。何処か見かけたことのあるような。＿＿＿＿彼女の努力に感銘をうける。

｢(人1)が着てくれたら、1番の宣伝になるんだけどなー｣

『うん！着たいな、……あ、会社の人に掛け合ってみるよ』

｢本当に？！｣

『うん、ティアラの力になりたいから。……可愛いね、このフリルなんてレースが細かいし、素敵だな……』

ここのポップアップ、お忍びで来ちゃおうかな。と思ったほどお世辞なく。このコンセプトに惹かれている。でも、体のラインがはっきりとした服ばかりだから、

着れるのは、もう少し後かな。

｢……それで？なんで(人1)は泣いてたの？｣

『……っ』

その優しげな微笑みに、ほんと弱い。彼女の優しさが心に染み渡るように。また涙がこぞって流れてきた。

友人であるティアラなら、この状況。どう解釈してくれるだろうか。あえてスタッフさんを部屋から退出させてくれて。二人きり、私は大まかでも感情的になっていたのかもしれないが、話をした。