Pseudoromance#12 (ページ20)

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『……っ！おかえり』

彼が帰ってくるのを誰よりも待ち侘びていた。連絡も返ってこない、彼の言う遅くなるが早朝6時だとは思わなかったけど、

今日ばかりは心配が勝って。連絡をしないことに対しての怒りは封印した。

彼の様子を伺って、本題を聞き出すタイミングを考えないと。＿＿＿＿精一杯、根気よく戦ってきたんだろうから。

｢……(人1)、水欲しい｣

『うんっ……』

ただ疲れを労るほどでもないと思わせてくる、彼が帰ってきた瞬間から分かったお酒と煙草の匂い。どれほど遊んできたのだろうか、まだ彼は薄らと酔っ払ってる気がした。

会社の人との話し合いは上手くいったのかな、気になって眠れなかったんだから、何よりも早く知りたいのに冷蔵庫から水を取り出そうとした時。背後に来た彼が私を抱き寄せてきた。

これは、いい報告が聞けるのかも。と少しばかり期待した私は、その体に身を任せる。が、

『…グゥ？、ねぇ、！』

｢……っいいじゃん、｣

拒む私を無視して、首筋に舌を這わせ服の中に手を入れてきた。散々しないと約束していたのに。酔っ払うと、特に彼は性欲が強くなる。

それでも、私の体を一番に気遣ってくれる存在でいてほしかった。彼だけは＿＿＿＿

｢……えっちさせて｣

『ダメっ、できない』

｢……中に出さないし。嫌なら目つぶってたらいい。俺じゃないテヒョンとしてると思っても怒らないから。｣

何で、そこにテヒョンが出てくるのか分からないまま。私も酔いそうなぐらい酒に塗れた彼の唇におかされて。頭がくらくらしてきた。

いつも彼はセックスに持ち込むのが上手で。いつも雰囲気に呑まれてばかりいた、あの頃。したくなくても彼の欲求を満たしてあげたい、とってつけたような優しさがあった。

でも、今は。自分の為に拒むべきなのに。

｢……っはぁ。(人1)、……っ、なんで妊娠しても色気が増すの？……(人1)以外じゃ満足出来なくなってるっ……｣

『……っグゥってば！』

｢胸、…はち切れそうだけど。｣

『痛いっ、！そん、な強く揉まないで』

キッチンの端で逃げ場をなくし大きな体に阻まれた。最初は冗談で終わる程度のスキンシップかと思っていたのに。表情や行動に少しずつ恐怖を覚える。