Pseudoromance#12 (ページ19)

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「…必ずしも結婚することがお前達の幸せに繋がるとは限らない。一人の女性を守るにも色んな方法があるんだ。……彼女にできるせめてもの報いは、彼女が築いてきた信頼関係、地位を汚さないでいてあげることだと思うよ」

「……っ、でも。万が一僕との子供だった場合「大丈夫、それはない。」

「……え」

「お前の知らない顔があると、さっきも話したと思うが。彼女はキムテヒョンの両親とも頻繁に会っていたようだ。更に最近、キムテヒョンがジュエリーショップに通っているとか。｣

別れているのに、会う理由は一つしかない＿＿と。俺の表情を察してか、鋭い真実は口を濁した社長。

それほど俺は悲しみに暮れていたようだ。(人1)に、じゃない。この会社に。俺の全てを搾り取ろうとする会社に。知らなけばいい事実を突きつけられ、心まで壊された。

俺の子供じゃなければ、責任を取る必要はない。という言い分が素直に呑み込めないのは。消える事ない(人1)への愛と俺にもまだ良心があるから、だろうか。＿＿＿＿

｢…DNA鑑定をすれば全て解決すると思いきや。これこそ彼女の思う壷。いとも簡単に偽造されるだけだから、真実が明らかになる前に、お前がねじ伏せろ。お前ならできる。｣

でも俺にとっては充分すぎるほど納得のいく結論に至った。

｢……人を信じることに、もう少し慎重になるべきでした。俺ばかりが苦労を強いられて、……彼女の為に身を削ったこと。あいつは何とも思ってない｣

｢そうだ。…ジョングク、これはあまり言いたくなかったけど。お前の家族も皆、結婚は望んでない。だってあの子は、

日本人だろ？＿＿＿＿｣

｢産まれてくる子供だって、マトモな人生を送れないのは目に見えてる。……お前の選択は、何も間違ってない｣

何処まで根回ししているのか、社長が心臓を撃ち抜いてきた。家族に中々(人1)を紹介できない理由はきちんとある。

その1つが家族にも知れ渡っている、キムテヒョンと(人1)の関係が邪魔していることと。父親側の親族が国籍を懸念していること。

会社よりも一番に報告すべきなのに。まだ迷っていたのは。今日のこの時の為だったんだろう。

｢……っよしジョングク、今日は朝まで飲むぞ！付き合ってくれるよな｣

｢…、あ、えっと｢貸切のBARだ。思う存分飲み尽くそう｣

｢……はいっ｣