Pseudoromance#12 (ページ15)

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JKside

「ジョングガー？帰らないの？」

「あー、うん。ジミン氏、お疲れ様でした」

誰も寄り付かない社長室に呼ばれるのは。とても緊張するものだ。約束の時間5分前、重苦しい扉の前で何度も深呼吸を続けた。

失礼のないように携帯の電源は切って。いざ、ノックする寸前。

「お、ジョングク。来てたのなら入りなさい」

まさかの社長自ら扉を開けて通してくれた。「お疲れ様です…」と顔色を伺いながら社長誘導の元。立派なソファーへ腰かける。

「最近忙しいだろ？目まぐるしい活躍だって聞いてるよ。皆頑張ってるね。大したものだ」

「……いえ、ありがとうございます。」

「でも部下から聞いてるけど、生配信でお酒はだめだぞジョングク。……まぁ今じゃそれが醍醐味という所もあるか、ははっ。」

「すみません。」と苦笑い。今の所、機嫌は良さそうだが。その緊張緩みっぱなしの表情が、じわじわと変化していくのは目に見えてる。

早速、世間話よりも俺が呼び出した理由に焦点が当てられた。

「…ジョングクにおり言った話があるだなんて呼び出されたのはいつぶりだ？＿＿」

「初めてだと、思います」

「おー！そうか。……それで？俺に話したいことって、？仕事量を減らせとかは、ちょっと考えようだぞ？」

どうせ大した話じゃないとタカをくくってる。だからこそ一言一言が重くて、詰まって。でてこない。

でも時間を取らせても申し訳ないし。はっきりと伝えることが誠意や本気に繋がるだろう。

「あの、……僕。結婚しようと思うんです」

「あ、そう。うん？」

「……結婚します。俺」

「は？」

怒る以前に目が点。動揺しかしていない社長は、俺を見つめながら静かに頭を抱えているように見えた。

「嘘だろ？」

「いいえ、」

俺の毅然とした態度を見兼ねてソファーに項垂れた。そして突然静かに笑い始めては。拍手をし始める、謎の奇行に俺は勿論戸惑いを隠せない。

そこまで俺は非常識なことを口走ったのだろうか。

手を叩きながら「おい、ジョングク。物凄いサプライズだな」って。楽しくもない嬉しくもないのに、苛立ちを隠すかのように笑ってみせる。

でも。「相手は誰だ？」と目を見開いては威圧感を浴びせられ、心臓は破裂しそうだった。