Pseudoromance#12 (ページ14)

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「＿＿＿＿へぇ、そろそろ仕事復帰するの？」

『うん。…お腹が目立たない程度のお仕事からしてみようかなって。グゥはどう思う？』

「…うーん。体調を最優先にするなら、(人1)の自由にさせてあげたいけど。いくら安定期だからって本当に無理はするなよ。」

『うん、ありがとう。』

あれから1ヶ月。私達は、ほぼ同棲生活を始めた。といってもジョングクが私の家に入り浸ってる、ってだけでも。家事を進んでしてくれる彼の存在にはとても助けられているし。

つい最近、社長を家に呼んで。私達の今後の話し合いをジョングク交えて行った。

表情は当たり前に堅かったが、私達の希望に添えるよう働きかけてくれると言ってくれた社長には感謝しかない。

ただ一番厄介なのは彼の会社なんだが。

必要あれば社長同伴の元、強行突破も視野に入れて。大手企業と戦わなければならない日もくるかも。

「…そうだ、今日ね。やっと時間作ってもらえて社長と1対1で話す事になったから。帰りは少し遅れると思う」

『……、うん。わかった』

「大丈夫。……話が通じない人じゃない。俺達の要望は全て叶えられなくても、それに近づける最善策を考えてくれる。俺達の生みの親だ、なんとかなるよ。」

BIG HIT関係者に、そのような情に厚い人は居ない。これは彼が不安がる私の為、咄嗟についた嘘だとすぐに気付いた。

でも不安なのは彼の方だろう。朝から食欲がないし何処か呆然としてて。今日という日が人生を狂わさないかと気が気でない。

『もし、ね。グゥ1人じゃ心細いようなら、私も一緒に「大丈夫！(人1)は何が何でも巻き込まない。」

『それでも、二人のことだから、！私もグゥと戦いたい。』

「……(人1)は、俺との大切な赤ん坊を腹に抱えてる。(人1)は俺以上に背負ってるものがあるんだ。俺にも、それなりのもの背負わせてよ」

『……グゥ』

「行ってきます＿＿＿＿」

結果ばかりに拘るんじゃなくて、戦ったその背中を。帰ってきたら抱きしめてあげよう。

私は正直、会社が認めてくれなくても。世に公表できなくても。二人で命を育められれば。何でもいい。

さて今晩は私がジョングクの好物を作ろう。＿＿＿＿この前の検診で性別がほぼ分かったこと、笑顔で聞いてくれる彼が居ますように。