Pseudoromance#12 (ページ13)

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「…っねぇ。俺の本気、疑ってたでしょ？」

彼の個性を消してしまったこと、何故か強請った私の方が後悔するなんて。でも、ごめんね、は違うよね。

彼が決死の思いで私の為にしてくれた気持ちを無にしない為に。何も言わず、そっと彼の腕にキスをした。

彼にとって、この変わり果てた腕に後悔はある？私を恨んではない？＿＿＿＿

『……グゥなら投げ出すと思ってた』

「あははっ……(人1)が好きな気持ちには勝てないから。それに、俺にはもう必要なくなったし、」

『え？』

「タトゥー、一つで大切な人を失うぐらいなら、こんなもの無い方がましだ。体に刻むんじゃない、これからは心に刻んでいくよ。」

小さな事でも、大きな成長のように。大袈裟に見栄を張ったその姿。思わず彼を抱きしめた。

『……私達もう絶対、離れ離れにならない？』

「(人1)の気持ちが別の人に向いても、離れた事ない俺が信用できないの？」

『……ううん。ただ「過ちはおかさない、約束する」

その真っ直ぐな瞳に、何も期待しないこと。それが私自身傷つかない為の予防線だった。でも、これが本当に最後。無条件に彼を愛してみようと思う。

父親になる人だから、とかの建前はとっぱらって一人の男性として。前のように、ましてや彼のように愛せるかは分からないけど。家族としての愛の形で。返せる日が来るような気がしてる。

そっと近づいてくる唇を重ねた。

「……(人1)～っ！！ギュー」

『ちょっ！』

「……やっぱり俺の(人1)だ、ずっと変わらない、俺だけの(人1)」

『へ？』

「…、あ。あのあんまり胸を押し付けないで。その、…さ」

『っあ…ごめん。わざとじゃ』

「…くそ。先、風呂入ってて」

『……、はーい』

早速、幸先不安な予感。彼の体はあと数ヶ月、色んな意味で鍛えられることになるだろう。

月日が経つのはあっという間だ。お腹を見ることすら何度も躊躇っていたけれど、ようやく鏡で映す自分の姿を直視できるようになって。

お腹を撫でれる心持ちになれた。

このまま何事もなく赤ちゃんに出会えたら。これほどにない幸せだが必ず困難はまとわりついてくる。

『どうしたの？グゥ、温かいよ。隣来てよ』

「…あー、あー、おーー、聞こえない」

私達、二人で。乗り越えていけますように。だから、ごめんね。テヒョンのことは、＿＿＿＿見て見ぬふりをした。