Pseudoromance#12 (ページ11)

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『…何しにきたの？』

「さっきも言ったよ？(人1)のご飯作りに来た。」

一度甘えてしまった、私への罰ですか？＿＿＿＿何故、なんの関係ない貴方が、当たり前かのようにキッチンに立ってるのか、それに嫌悪感しかない。

だったら家に上げなければいいと思うだろうが、インターフォン越しに【色んな人に見られてる。このままじゃ、ここに住みにくくなるよ】と脅してきたのが彼だから。

勘違いしないで、＿＿彼の為じゃない、自分の為に行動した。

「…あとさ、ちゃんと話したいと思って」

『はい？…もう話す事ないよね？私は自分の意見も言ったしグゥの気持ちも知った、完結したじゃない。何を蒸し返したいの？』

「俺はきちんと、こうしたいと明確に伝えてない。…あれから冷静になって、よく考えてみたんだ。俺達のこと、」

駄目だ、最近特に涙脆くて。彼が話をする前から瞼に溜まっていく涙。私だって、色々我慢してきた。消していた、殺していた本音がある。

覚悟をしたって逃げ道を探したくなる。甘い言葉に信頼を寄せてしまうこともある。

弱い人間だと、認めたくなることもある。

期待はしたくない、した分だけ傷つくのは怖い。でも並々なる覚悟も簡単に覆ってしまう。それが彼だから。私は彼からもらう優しさに耳を塞ぎたくなった。

その瞳に、私はまた泣かされるのだろうか。ギュッと体に力を込めていると。

そっと私のお腹に優しい手が置かれた。

「……ここに、俺らの子供が居るなんて。凄いことだよね。」

『…っ』

「俺さ、まだまだ子供だ。(人1)を困らせることも、(人1)の手を焼かすこともいっぱいすると思う。何度も嫉妬するし、飲みきれてないペットボトルの蓋しめずに置いたまま、新しいの開けちゃうことだってあるし…」

「完璧なお父さんになれるかは分からない。

でも俺は一生涯かけてお前を、子供を守り抜く。言葉だけじゃない、その証明必ずするから。」

溜まりに溜まった涙が重力に負けて次から次へと流れては嗚咽し始める私をジョングクは驚きながら優しく背中を撫でてくれた。

そして、お腹を気遣った控えめなハグ。「もう逃げないから。俺に未来をくれませんか？」と真剣に私をまた泣かせにかかってきたから。

『…父親はグゥだって信じてくれるの？』

震えた声で、彼の反応を試してしまった。でも彼は笑って。「俺は(人1)を信じるよ」と迷いのない瞳を見せてくれたんだ。